セヌフォ族は、西アフリカのコートジボワール北部を中心にマリ南東部にまたがって居住する先住民族です。セヌフォ族の絵布は、すべて村の女性の手しごとです。約10センチ幅のざっくりとした手紡ぎのカポック綿布を、何枚もつないで大きな布にして泥染めで描いています。フリーハンドで描かれたユーモラスな仮面と衣装をまとった踊り手は、両手に楽器のようなものを持ち、楽しそうにダンスを踊っています。絵布そのものは伝統的な意味があるのではなく、欧米の海外援助の一環として指導されたものです。
本展は、当館に寄贈されたアフリカの仮面や楽器118点から構成される「橋本信夫・邦江コレクション」の中から、セヌフォ族の絵布を選びアフリカ文化の一端をご紹介します。また、絵布に描かれているセヌフォ族の特徴的な鳥の彫像等も併せて展示します。