札幌芸術の森美術館では、1990年の開館以来、寄贈や購入を通じてコレクションを着実に充実させ、現在では1,551点の作品を所蔵するにいたっています。そのコレクションをふりかえれば、彫刻、油彩、日本画、水彩、素描、版画、写真、工芸、写真、部族芸術と幅広いジャンルの作品を収集しています。なかでも、日本の近代彫刻をたどることのできる彫刻のコレクション、そして札幌出身の個人コレクターの寄贈による北海道絵画史を一望できるコレクションは特筆に値します。こうしたコレクションは、絶え間ない作品収集によって形作られています。美術館にとってコレクションはかけがえのない基礎資源であり、また美術館の歴史はコレクションを形成してきた歴史であるともいえるでしょう。
これまで「札幌芸術の森美術館コレクション選」では、当館が収蔵する作品を継続的にご紹介してきましたが、その一方で、近年収蔵された作品をまとめて展示する機会はほとんどありませんでした。本展では、近年新しく収蔵された作品を中心に、また、師と弟子、盟友との切磋琢磨などが感じられる新収蔵作品とつながりの深い既存の収蔵作品とあわせて展示いたします。コレクションの共演をお楽しみください。
【出品作品】
- 鈴木武右衛門《シルバーペンダントのAisha》 砂岩、赤御影石、銀 2011年
- 佐藤忠良《智恵子抄のオリエ》 ブロンズ 1971年 [既収蔵作品]
- 笠井誠一《ボトルとミルク缶のある風景》 油彩、キャンヴァス 2012年
- 笠井誠一《ふいごのある卓上静物》 油彩、キャンヴァス 2008年
- 吉田芳夫《演技者Y(本田明二氏)》 ブロンズ 1982年
- 本田明二《けものを背負う男》 木(カツラ) 1982年 [既収蔵作品]
- 阿部国利《体内のリズム》 水彩、素描 2002年
- 阿部国利《崩壊するマスク》 油彩、キャンヴァス 1995年
- 矢崎勝美《愛のシリーズ2》 シルクスクリーン、オフセット、手彩色(吹付) 1972年
- 矢崎勝美《愛のシリーズ3》 シルクスクリーン、オフセット、手彩色(吹付) 1972年
※本展は、前期(4月8日~5月28日)・後期(6月3日~7月23日)に分けて作品の入れ替えを行います。
右図:笠井誠一《ボトルとミルク缶のある風景》 油彩、キャンヴァス 2012年