更新日:2023年3月30日
札幌市を拠点に活動する版画家・艾沢詳子は、銅版画からそのキャリアをスタートさせ、生命のありようをテーマとしたモノクロの世界を作り上げてきました。二度の渡米を経て、支持体に糸や紙などを貼りつけ凹凸のある版をつくりプリントする技法(コラグラフ)や、石膏や溶かした紙を用いた型取り(キャスティング)に取り組むなど、従来の版画のあり方にとらわれない、版の拡張ともいえる挑戦を続けます。やがて、それらは古紙やティッシュペーパーをロウで固めた人型のオブジェを無数に配置するインスタレーションの制作へと結実していきます。
艾沢は一貫して、目には見えなくとも、確かにそこに在るものを表現してきました。日々の暮らしの中で抱く、言葉では捉えきれない感覚や印象は、時とともに消えてしまいます。しかし、艾沢はそれらをすくい取って自身の中に集積し、その輪郭を確かめるように形を与えていきます。立ち現れた光景には、艾沢がこれまで過ごしてきた親密な時間が息づき、観る者それぞれが抱く記憶をも想起させるでしょう。
本展では初期の具象的な銅版画のほか、転機となった、床一面に広がる《石膏ドローイングインスタレーション》(1996年)の再制作作品、近年精力的に取り組むアートとテクノロジーが融合する新作を含む約80点を展示します。常に現状を更新し、新たな制作を続ける作家の創造世界をお楽しみください。
艾沢詳子(1949~)YOMOGIZAWA Shoko
北海道夕張郡由仁町生まれ、札幌市在住。1970年代より版画家として活動を始める。これまで「版の沸騰」(INAXギャラリー、1997年)「交差する視点とかたち VOL.5」(札幌芸術の森美術館、北海道立釧路芸術館、2012年)などの個展・グループ展をはじめ、国際展にも積極的に参加している。1995年、アジアン・カルチュラル・カウンシルの奨学金により、ニューヨークで研修。2014年、北海道文化奨励賞受賞。
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関連事業
アーティストトーク
作家自身がこれまでの歩みを振り返りながら、作品について語ります。
講 師:艾沢詳子氏(本展出品作家)
日 時:2023年5月13日(土)15:00~16:00
会 場:札幌芸術の森美術館 展示室
料 金:無料(当日有効の観覧券が必要)
定 員:30名 ※完全予約制
申 込:電話予約(011-591-0090)予約開始日は、2023年4月21日(金)10:00~
ギャラリーツアー
学芸員が展示室をめぐりながら展覧会の見どころをご案内します。
日 時:2023年5月27日(土)14:00~14:40
参加費:無料(当日有効の観覧券が必要)
開始時間までに美術館エントランスロビーにお集まりください。
制作ワークショップ「キャンディプロジェクト」受付は終了しました
紙とロウを使ってオブジェを二種類作ります。完成した作品のうち、一部はお持ち帰りいただき、もう一部は会期中B展示室に展示されます。
講 師:艾沢詳子氏(本展出品作家)
日 時:2023年4月22日(土)
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- 13:00~13:45
- 13:45~14:30
- 14:30~15:15
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※所要時間約45分程度 ※各回入れ替え制
会 場:札幌芸術の森美術館 B展示室
料 金:500円(材料費込)
定 員:30名(各回10名) ※予約優先。定員に空きがある場合は随時受付。
申 込:電話予約(011-591-0090)予約開始日は、2023年4月7日(金)10:00~
前売り券情報
お得な前売り券のご購入がおすすめです。
販売期間 1月末販売開始予定~2023年4月14日(金)
販売場所 道新プレイガイド、大丸藤井セントラル、札幌市民交流プラザチケットセンター、札幌芸術の森美術館(休館日除く)
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策について
札幌芸術の森美術館では、ご来園されるすべての方の安全と安心のため、「博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン(公益財団法人日本博物館協会)」に従い、コロナウイルス感染症拡大防止に関する下記の取り組みを行っております。