風を動力源としてオランダの砂浜を疾駆する「ストランド(砂浜)ビースト(生命体)」。
ボディ全体はプラスチックチューブで造形され、物理工学を基盤としたその動きは生物を思わせるほどに滑らかで有機的です。
それらはオランダのアーティスト、テオ・ヤンセン(1948-)によって故国の海面上昇問題を解決するために生み出されました。
作者亡きあとも自立して砂浜で生き延びるべく、ストランドビーストは歩行、方向転換、危険察知などの
環境に適応していくためのシステムを獲得していきます。
生と死を繰り返し、遺伝子と遺伝情報を受け継ぎながら進化し続けてきた生命体は、
芸術と科学という既存のカテゴリーを横断し、新たな可能性を我々に提示しています。
本展は北海道で初めての個展となり、日本初公開5作品を含む12作品を展示します。
実際に動く巨大なストランドビーストを体感できるほか、その構造や動きの仕組みを明らかにし、テオ・ヤンセンが創り出す世界の魅力に迫ります。
《アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ》2013年
《アニマリス・ウミナミ》2018年