本講座では、近年国際的に注目されている「ノントキシック銅版画技法」について、理論と実演を通して学びます。
ノントキシックとは nontoxic(無毒性)を意味し、薬品や材料が人体や環境に与える負荷を可能な限り低減する版画技法の総称です。
講師には、20年以上にわたりこの分野の研究と教育に取り組む福井大学教授・湊七雄氏を迎え、材料の化学的特性や安全性、制作工程に関する最新の知見をご紹介します。
※本講座に受講者による制作実習は含まれません。
環境配慮や健康への意識が高まるなか、ノントキシック銅版画技法の研究は欧米を中心に発展してきました。
一方で、日本国内では体系的な研究・教育体制が十分に整っておらず、制作現場への普及が課題となっています。
本講座では、湊氏が国内外の研究者や専門家との協働を通じて蓄積してきた知見にもとづき、銅版画技法の最新動向や安全性向上のためのアプローチを紹介します。
あわせて、実演を交えて腐食や刷りの工程をわかりやすく解説し、安全で高品質な表現を可能にする技術のポイントを学びます。
1972年 三重県生まれ
2000年 ベルギー・ゲント王立美術大学大学院版画専攻修了
2000年 ベルギー・ゲント市の現代美術専門画廊契約アーティストとなり作家活動を本格化
2003年 フランス・サンテチエンヌ美術大学版画科助手
2006年 福井大学教育地域科学部助教授として、絵画、素描、版画を担当
2017年 ベルギー美術アカデミー客員教授
2019年 福井大学教育学部教授
20年以上にわたりノントキシック銅版画技法研究の第一人者として、安全で持続可能な版画表現の普及と教育に尽力しています。
10:30-11:00 講義①:ノントキシック版画技法の歴史と未来
11:00-12:00 実演①:製版(ソフトグランド、ハードグランド)
12:00-13:00 昼休み
13:00-13:30 講義②:銅版画の科学
13:30-14:30 実演②:製版(アクアチント)、印刷
【対象】版画制作経験者
【講師】湊七雄氏
【定員】30名
【料金】3,000円
【持ち物】昼食、筆記用具

※先着順のため、定員に達した時点で申込を締め切ります。

