札幌芸術の森美術館では、1990年の開館以来、寄贈や購入を通じてコレクションを着実に充実させてきました。
彫刻、油彩、日本画、水彩、素描、版画、写真、工芸、写真、部族芸術と幅広いジャンルの作品を収集し、現在では1,551点の作品を所蔵するにいたっています。
こうしたコレクションは、絶え間ない作品収集活動によって形作られています。
美術館にとってコレクションはかけがえのない基礎資源であり、また美術館の歴史はコレクションを形成してきた歴史であるともいえるでしょう。
これまで「札幌芸術の森美術館コレクション選」では、当館が収蔵する作品を継続的にご紹介してきましたが、近年収蔵された作品をまとめて展示する機会はほとんどありませんでした。
そこで前期展示では、近年新しく収蔵された作品を中心とし、師と弟子、盟友との切磋琢磨などが感じられる新収蔵作品とつながりの深い既存の収蔵作品とあわせてご紹介しました。
このたびの後期展示では、戦後の北海道の前衛絵画を代表する四人の画家、菊地又男、渡辺伊八郎、沢田哲郎、矢崎勝美に焦点を当てながら、昨年度収蔵されたばかりの作品や、近年新しく収蔵された作品を軸にご紹介します。
戦後美術の転換期を生きた画家たちの、作品同士のひびき合いをお楽しみください。
【出品作品】(予定)
- 菊地又男《原野》油彩、コラージュ、板、56.9 x 47.7 cm、1970年
- 菊地又男《凶兆》油彩、コラージュ、キャンバス、116.3 x 91.0 cm、1978年
- 菊地又男《外人墓地》油彩、コラージュ、キャンバス、100.0 x 100.0 cm、1994年
- 渡辺伊八郎『渡辺伊八郎版画集 方形と円のバラード』《コンストラクション》シルクスクリーン、紙、40.6 x 31.5 cm、1974年(平成25年度収蔵品)
- 渡辺伊八郎『渡辺伊八郎版画集 方形と円のバラード』《的》シルクスクリーン、紙、33.0 x 23.9 cm、1974年(平成25年度収蔵品)
- 渡辺伊八郎『渡辺伊八郎版画集 方形と円のバラード』《十字形の中の方形》シルクスクリーン、紙、40.5 x 40.5 cm、1974年(平成25年度収蔵品)
- 沢田哲郎《SKYSCAPE 82(A)》油彩、キャンバス、91.0 x 91.0 cm、1982年頃
- 沢田哲郎《雪の幻想》油彩、キャンバス、130.0 x 162.0 cm、制作年不詳
- 矢崎勝美《COSMOS-Y2K》シルクスクリーン、オフセット、手彩色(吹付)、紙、265.0 x 140.0 cm、2000年(平成28年度新収蔵品)
※本展は、前期(4月8日~5月28日)・後期(6月3日~7月23日)に分けて作品の入れ替えを行います。