※この展覧会は終了しました。
札幌芸術の森美術館コレクション選
1925 胡蝶園とその時代の画家たち
1925(大正14)年は、北海道における大規模な美術団体、北海道美術協会が立ち上げられ、公募展覧会(通称、道展)が開催された記念すべき年です。その立ち上げの拠点となったのが中島公園に構えられた胡蝶園と呼ばれる本間紹夫(1902〜1967)の別荘でした。
本間は、画家たちの交流の場として自邸を提供し、自身もまた道展の設立に大きく寄与しました。
これまで文献や写真資料で語られることが多かった胡蝶園ですが、近年、本間家に遺されていた本間紹夫撮影の9.5mmフィルム映像の中に、胡蝶園を映したものが発見されました。そこには、大正末期から昭和初期にかけての中島公園の様子が生き生きと映し出されています。
本展は、本間紹夫撮影の9.5mmフィルムをデジタル化した8編の映像とともに、色紙や折帖、道展設立に寄与した画家たちの絵画(当館所蔵)によって、胡蝶園を舞台に繰り広げられた1925年前後の北海道画壇の様子を垣間見ようとするものです。
◆◆本展の見どころ◆◆
◆本間紹夫と胡蝶園
写真資料や、田上義也(1899〜1991)による胡蝶園改築図面(複製)などを通して、胡蝶園の全体像をみていきます。
◆9.5mmフィルム映像
本間紹夫は、フランスのパテ社製「Pathé Baby(パテ・ベビー)」と呼ばれる映写機、フィルムの入ったトランクケースを所有していました。
家族との仲むつまじい様子とともに、胡蝶園(中島公園)をはじめ、定山渓や東京・立川など様々な地で本間が目にした光景が収められており、当時を知る上でも資料的価値の高い映像となっています。
南俊輔氏の手によって8編の映像がデジタル化しており、現在も残りの映像のデジタル化を進めています。
本展では8編をまとめて常時上映しております。
◆色紙絵、折帖
画家仲間が胡蝶園や旅行先で描いた色紙絵には、似顔絵や宴の様子が描かれています。
中村善策、前田政雄らが描いた本間紹夫や本間家の人々、画家仲間たちは、当時の盛り上がりをそのまま絵筆に載せています。折帖には、道展創立に寄与した画家たちが水彩画や墨画が収められています。
◆絵画(当館所蔵)
上野山清貢、中村善策など本間と親交の深かった画家たちによる絵画を7点出品しています。
また、会場内では彩京堂(https://www.8mmdvd.net/)による本展映像の色加工を施したものも合わせて上映しています。
※本展の写真撮影および録画は固くお断りしております。