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05 真駒内を歩く

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北海道開拓期には種畜場が広がり、1972年の札幌オリンピックの主会場として本格的開発が始まった真駒内界隈。現在では平穏な住宅地として人気を集める、水と緑に囲まれた真駒内をぶらりと彫刻散策。

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地下鉄南北線の南端駅となる真駒内駅に降り立った。駅を出ると沿道を緑が覆い、その奥に五輪選手宿舎として建設された五輪団地が並ぶ。それらを背に駅正面に石の台座に乗った円形の彫刻作品『ひとやすみする輪廻』①がある。作品名にある“ひとやすみする”というフレーズが、なんともハマリのよい優しい印象を受ける作品だ。

五輪団地を横目に駅前の通りを直進。突き当たりT字路の手前左手に見えてくるスーパーの横に、平成13年に第10回札幌市都市景観賞に認定された真駒内用水がある。この脇にある散策路を抜けると、目の前がエドウィン・ダン記念公園(旧真駒内中央公園)だ。ここには、北海道酪農の父『エドウィン・ダン像』②があり、公園内には彼の記念館が併設されている。像の六角形の台座には北海道開拓期のレリーフが刻まれており、開拓史に思いを馳せながら“ひとやすみ”もいい。このあと真駒内公園に向かうのだが、ここでも緑あふれる道を行きたいと、真駒内川沿いのサイクリングロードへ。一歩足を踏み入れると、緑の香りとせせらぎの音が心地良く、ここが地下鉄沿線だということを忘れてしまうほど。目指すは、冬季オリンピックを記念して真駒内公園に造られた彫刻群だ。

五輪のシンボルとして建てられた、天に延びる長い傾斜を持つ台座上の『雪華の像』③。そして五輪大橋・五輪小橋の欄干には、札幌にゆかりの4作家によって制作された『飛翔』④(一対)、『花束』⑤(一対)、『栄光』⑥(一対)、『えぞ鹿』⑦、『雪娘』⑧が並び立つ。交流の深い4作家が一堂に会し、それぞれのスタイルで制作された作品群は、非常に見ごたえがある。

並木が美しい五輪通を東に向かい信号を左折、しばらく行くと右手に交番が見えてくる。そこに隣接する真駒内第一公園に、仔牛と戯れながら野をかける少年の彫刻『牛と少年』⑨があり、その銘文では真駒内地区の成り立ちを知ることもできる。この後はバスに乗って駅に向かうもよし、徒歩で真駒内各所に点在する公園緑地を巡るという手もあり、はたまた石山緑地や札幌芸術の森まで足をのばして、彫刻巡りの続きを楽しむのもいいかもしれない。真駒内周辺は自転車道が比較的整備されているので、機会があればサイクリングでの彫刻巡りもお勧めだ。

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写真をクリックすると作品詳細を確認できます。
  1. 01 ひとやすみする輪廻/丸山隆/南)真駒内緑町4 地下鉄真駒内駅前
  2. 02 エドウィン・ダン像/峯孝/南)真駒内泉町1 エドウィン・ダン記念公園
  3. 03 雪華の像/本郷新/南)真駒内公園内 五輪通南側
  4. 04 飛翔(一対)/山内壮夫/南)真駒内 五輪大橋西端両側
  5. 05 花束(一対)/本郷新/南)真駒内 五輪大橋東端両側
  6. 06 栄光(一対)/本田明二/南)真駒内 五輪小橋西端両側
  7. 07 えぞ鹿/佐藤忠良/南)真駒内 五輪小橋東端南側
  8. 08 雪娘/佐藤忠良/南)真駒内 五輪小橋東端北側
  9. 09 牛と少年/佐藤忠良/南)真駒内曙町1 真駒内第一公園
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