札幌中心部を南北に走る駅前通りの南端にある『中島公園』。5,000本あまりの木々と菖蒲池の輝く水面を眺めていると、ここが札幌の中心部であることを忘れてしまう。園内には、国の重要文化財である豊平館や八窓庵のほか、札幌コンサートホールKitaraや北海道文学館、天文台などがあり、多くの野外彫刻も設置されている。
南口から公園に入ると、母子と動植物をモチーフにした『森の歌』①や、帆に色鮮やかな石が埋め込まれた『ヨットと方向』⑤が迎えてくれる。『森の歌』は札幌とゆかり深い彫刻家・山内壮夫の作品で、菖蒲池と文学館の間にあるエリアには、『猫とハーモニカ』③や『笛を吹く少女』⑨など山内の作品が4つ集中して配置されている。また、園内をぐるり巡ってみると、多くの作品が芝生の上の低い位置に設置されていることに気付く。Kitara前でどっしりとした存在感を放っている『相響』②もその1つだ。“相互に響く”という名前だけに、Kitara1階にはひと回り小さな相方も横たわっている。これらの彫刻を身近に楽しめる空間として、中島公園はおすすめの散策スポットだ。