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03 札幌ドーム

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札幌市豊平区羊ケ丘1
地下鉄東豊線「福住」駅下車→徒歩
12月~翌年3月は、積雪のため立ち入り禁止エリアあり

観戦前の1時間でアートの森をのんびり満喫

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8,000本の木が茂る「アートグローブ」は、札幌ドーム敷地内のアートスポットだ。広々とした緑を有効に使った作品や、作品自体が緑や森を意識したものなどさまざま。オリエンテーリングを楽しむようにアートに触れてみよう。

国道36号に近い場所に位置し、札幌ドームに近づくと見えてくる『無重力の玉石』①は、大きな楕円の立体造形。揺らしたり回したり、触って楽しめる作品だ。ドームへの階段を上って北ゲートへ。その左脇に絶妙なバランスで立っている『森の中』②は、さまざまなイメージを広げてくれる。ガラスの屋根が架かる「タウン」を「オープンアリーナ」側へ抜けると、眼下には白黒タイルのフィールド『世界のすみずみ』⑪が。立方体のブロックはベンチを兼ねており、一息入れることもできる。犬の散歩をしている人、遊びに来た近所の子どもたち、さまざまな人々が思い思いに楽しむ姿を見ながら、『フェイジョン』③前に到着。冬になると雪に埋もれ、春の雪解けとともに徐々に芽を出すイメージでデザインされた、コミカルで力強い作品だ。その先にあるのが、石と鉄でできた『Roll Away the Stone/Brixton 8,720km』④。叩いて、押して、楽しい音やリズムを生み出そう。国道36号側を見下ろすと、池の中島に『みつけたくぼみに結実する』⑤が佇んでいる。心のくぼみに舞い降りた気持ちの種が実を結ぶ、というメッセージが込められ、愛嬌のある大きな鳥にも見える。さあ、オープンアリーナ沿いを右回りで進んでいこう。多数のシンプルな立体が宙に浮かぶ『桃色の雲』⑥は、夕暮れ時から夜間にかけてピンク色に自発光する、とても美しい作品。ナイター観戦後に訪れるのもいいだろう。ところで、札幌ドームは2002年のサッカーW杯でも使用された。一見すると人工的なコンクリートの壁『完全な場』⑦の間を抜けると、そのW杯出場32か国の言語で「ありがとう」というささやきが聞こえる。『休息する翼』⑧は、その名の通り一休みしている2羽の鳥を表現しているのだろう。親子なのか、恋人同士なのか…。もうひとつのかわいらしい作品『とり』⑨も必見だ。

ぐるりと1周しながら、ゆったりとした時間を過ごせるアートグローブ。見るだけでなく、手や耳などからも、さまざまなかたちでメッセージをインプットしてくれる作品が並んでいる。春夏には美しく咲き乱れる花々も見ものだ。もし試合観戦やコンサートに訪れる予定があるなら、1時間早く出かけて散策というのも、おすすめの楽しみ方である。

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写真をクリックすると作品詳細を確認できます。
  1. 01 無重力の玉石/トム・シャノン
  2. 02 森の中/伊藤誠
  3. 03 フェイジョン/大岩オスカール幸男
  4. 04 Roll Away the Stone/Brixtom 8,720km/江頭愼
  5. 05 みつけたくぼみに結実する/小林重予
  6. 06 桃色の雲/ジャン=フランソワ・ブラン
  7. 07 完全な場/端聡
  8. 08 休息する翼/國松明日香
  9. 09 とり(一対)/立木泉
  10. 10 風に触れる/岡部昌生
  11. 11 世界のすみずみ/タデウス・ミスロウスキー
  12. 12 ミルタウンの近く/ジョセップ・マリア・マルティン
  1. 13 北辰の竜神/國安孝昌
  2. 14 SDM/一原有徳
  3. 15 北空の最弱音(ピアニッシモ)/田中信太郎
  4. 16 ひとつ が ふたつ/安田侃
  5. 17 立体空間より平面空間への還元/奥山喜生
  6. 18 ヌプカの家/PHスタジオ
  7. 19 Terrace:札幌ドーム/川俣正
  8. 20 大気の器/柳健司
  9. 21 球/楢原武正
  10. 22 Cのスロープ/堀木淳平
  11. 23 位置づけられた世界(札幌)/ジョゼフ・コスース
  12. 24 楕円を通って/フェリーチェ・ヴァリーニ
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