隠された庭の幻影に新登場する『シャドウ』
2018年の『隠された庭からの脱出』は、予想を上回る参加者に恵まれました。2019年も謎解きイベントを開催することが概ね決定した時、『続編』を作るか、『新規タイトル』とするかまずはじめに話し合いました。それぞれにメリットとデメリットがあり、そもそも続編を作るほど認知度は高くないと自認しつつも、最終的に『続編』の制作を選択いたしました。それは自分たち自身がこのシリーズに愛着があったからだと思います。幸い、企画のメインスタッフも昨年に引き続き続投することができ、制作は本格化してまいります。
新規タイトルと異なり、続編であるメリットとしては、設定の説明や導入部分をある程度割愛できることに加え、前作で築いた各種設定を土台にすることで、より発展したストーリー展開ができる点だと思います。そのため、ストーリーには少しこだわりました。ファントムを前作から引き続き登場させ、さらに新たなオリジナルキャラクターとして『シャドウ』を設定。この2体のキャラクターが関わる複雑なストーリーを検討しました。シャドウとファントムの立ち位置に最後まで悩みましたが、最終的にもっとも謎解きらしいミステリアスな展開が楽しめる案を決定稿といたしました。幾度もストーリーを練りなおしたため、決定稿のほかにも、残念ながら不採用となった案が多数あります。その中でも捨てがたかったものは、開催期間中に販売されたオリジナルマスキングテープに付属する『お土産問題』でお楽しみいただけます。
ファントム以外も、前作の設定はそのまま活かしています。そのため前作参加者はよりお楽しみいただけたかなと思います。
ファントムは前作のHARD(最終章)で、仮面が割れて姿を消してしまいます。そのため企画の初期段階からこの割れた仮面が物語に関与する方向でストーリーの検討を進めていました。ただファントムが復活した際の仮面のデザインは最終版と企画初期とで異なっております。当初予定していたものは、単純に仮面にヒビが入っているデザイン。撮影用のファントムの仮面は実は紙でできていますので、黒に塗った仮面の上に、ハサミやカッターで切り分けた白の仮面を張り合わせることでひび割れを再現して試作しました。しかし、前作との違いが分かりにくいこともあり、このヒビ割れた仮面は復活ファントムのものとしては使用せず、白地に格子状の黒線が走っているデザインに変更しました。ただ、色分けした2枚の仮面を張り合わせて表現するアイデアは最終デザインでも活かされています。ちなみに、使わなかったひび割れの仮面は、NORMALのストーリーで探し求めることになる『仮面の破片』として使用しました。
復活したファントムが被る予定だった仮面。2枚重ねでひび割れを表現(右写真)
最終的に切り分けた破片は、NORMALで登場する仮面の破片として使用しました
最終的な復活ファントムの仮面デザイン。前作との違いがより分かりやすくなりました
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