【幻影】「驚き」を重視した仕掛けと問題

当アーカイブ記事は出題した問題内容に関する記述が含まれます。

ご閲覧される場合は、ご了承のうえお進みください。

 

 

 

給水ゲルを用いた仕掛け 吸水ゲルに水をいれた写真

吸水ゲルを用いた仕掛け。水を入れると中の掲示が見えるようになる(NORMAL)。

  

謎解きイベントの中心である問題たち。当シリーズでの体験をさらに発展させるため、各難易度それぞれで「驚き」を重視して設計し、問題を解いて何かアクションをすれば何か反応があるような展開にこだわりました。

 

ご家族で楽しんでいただきたいEASYは、前作は『ナゾナゾ』に近い問題を中心に構成しました。今作のEASYではより『謎解き』らしい問題を増やしております。冊子を折り曲げたり、カードを重ねたりといった謎解きイベントでよく見られる基本的な手法はこのEASYコースに多く導入し、NORMAL以上の難易度に挑戦する際の足掛かりとなるようにいたしました。ストーリー上は謎解き大会に参加し賞品である『流星のかけら』を手に入れる設定です。そのため、このEASYコースの「驚き」として、最後の謎を解き終えたとき、参加者はいつの間にかその『流星のかけら』を(疑似的に)手に入れている!という仕掛けをさせていただきました。問題難易度は前作より少しあがってしまいましたが、その分、流星のかけらを手に入れたときの達成感を感じてくれた方がいらっしゃれば幸いです。

 

ori 流星のかけらを手にしている写真

問題の指示通りにキットを折っていく(左)と、「EASY CLEAR」という文字とともに、中央に流星のかけらを手にした写真が現れます。

 

NORMALは前作同様、『無料キットでも満足できるクオリティ』を目指して制作いたしました。高価なデジタル機器などを用意することは難しいのですが、その分知恵を絞り、今回もっともオリジナリティある仕掛けを数多く導入したつもりです。たとえば、透明ケースに水を注いだときだけ、掲示の中身がみえる仕掛け(文頭の写真)や、鏡面の円筒を置いたときにはじめて絵柄がわかる仕掛け(下写真)が登場します。これらは、企画担当者ら自身の子どもの頃の記憶や、夏休みの自由研究、理科・図工で習った知識を足掛かりにして考案した「驚き」で、参加したお子さまたちの自由研究の参考にもなってほしいという期待をこめたものでもあります。

 

アナモルフォーシスを用いた問題用紙 アナモルフォーシスを用いた問題

NORMALコースの最終問題、魔法陣の中心に銀の円筒を置くと、探していた仮面の破片が現れます(右写真中央)

 

最終的なクリア率は9%となった今回のHARDは、高難易度の問題であることに加え、問題解答とともにストーリーが進展する手法をとりいれました。エリアは野外美術館の一部ではなく、全エリアを対象とし、前作のHARDをクリアした猛者たちをターゲットに想定して制作いたしました。今作の最も大きな「驚き」として設定したのが、HARDコースの最終問題にたどりつけた人だけが入れる『秘密の小部屋』です。

 

野外美術館内に設置された秘密の小部屋

野外美術館に設置された秘密の小部屋。一見ただの備品庫のようです。

 

この小屋は『シャドウの隠れ家』として設定したもので、HARDコースの最終問題がその中に設置されています。これは、『周遊タイプ』である当謎解きの中で『密室タイプ』の問題があれば、「驚き」を感じるのではないかと考えたものです。極めて高い難易度であるHARDゆえに、最終問題までたどり着き、中に入れる参加者はごくわずか。この超難度のHARDコースだからこそ可能な、自由周遊の中の『密室』。これをシリーズの最終問題、かつ最後の「驚き」として設定いたしました。

 

シャドウの隠れ家の中 封印された仮面

小部屋の中は『シャドウの隠れ家』。この中で参加者はシャドウの秘密を探ります。勲章のように飾られた黒いファントムの仮面がなんとも不気味です。

 

IMG_0506 内装前のプレハブの中

設置途中の『シャドウの隠れ家』。よくあるレンタルプレハブがその正体でした。

 

さて、長文となってしまいましたが制作の裏話に関するアーカイブ記事はここまでとなります。ご閲覧誠に有難うございます。

謎解き野外美術館シリーズはこの『隠された庭の幻影』をもっていったん幕を下ろしますが、野外美術館の彫刻作品はずっとこの野外美術館に佇んでいます。お天気の良い日など、お気軽に彫刻達に会いに来ていただけましたら幸いです。

 

(以降に番外編を掲載しておりますので、よろしければご閲覧ください)

 

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