かみすけくんがせっちゃんの元に駆けつけると、 せっちゃんはお父さんの決めた婚約者の元へ旅立とうとしていまし た。
紙「待って、せっちゃん!」
かみすけくんが駆け寄ります。
息切れして、膝に手を置くかみすけくん。
せ「どうしたの?そんなに慌てて。」
せっちゃんは思わずかみすけくんに歩み寄り、 彼の水筒からコップに水を注ぎます。2人が一緒だった頃、 よく見られた光景です。
紙「ありがとう、せっちゃん。」
注いでもらった水を飲んで、一息ついてから、 かみすけくんが切り出します。
紙「これを…、これをもう一度受け取ってくれないかな?」
かみすけくんの手には、かつて2人が持っていたペアのネックレスがあり、せっちゃんは驚きました。
せ「これ…。」
せっちゃんは、しばらく目をつぶったあと、 ゆっくりと目を開けて微笑みながら続けます。
せ「ありがとう、かみすけくん。本当に。…でも、今からはもう、 出会ったあの頃には戻れないわ。」
せっちゃんは目に涙を浮かべています。
紙「せっちゃん、このネックレスはこれまでの感謝の印なんだ。本当に渡したいのは、こっちだよ。」
そう言ってかみすけくんは、あの憧れの彫刻を手渡します。
せ「え?どうしてここに?」
紙「こんな風に支え合って暮らす彫刻を、ぼくも目指したい。せっちゃんがこの彫刻をよく見ていた理由がやっとわかったんだ。 せっちゃん、もう一度…、もう一度ぼくにチャンスをくれないか? 」
せっちゃんは遂に声を出して泣きだしてしまいました。大きく何度もうなづくせっちゃん。
その肩を抱き寄せるかみすけくん。
紙「ありがとう。もう二度と逃げ出したりなんかしないからね… !」
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